バリ島の日本語学校にいったら、インドネシア人生徒から学ぶことがあった話

こんにちは!インドネシア好きライターのひより(@hiyoriworld629)です。

今回は、バリ島の日本語学校『BATC』へ遊びに行ったときのことを記事にしました。

実はわたし、学生時代は日本語教師に憧れて求人を探しまくっていました。

海外で働く仕事のなかでも、現地の人と親密なコミュニケーションがとれる日本語教師の仕事は、やりがいがあって魅力的ですよね。

ただ、興味や憧れはあっても「日本語教師の先生たちって、実際どんな風に働いてるの?」と、いまいち実態がつかめないのが現状。

そこでこの記事では

  • 海外の日本語教育に興味がある人
  • 日本語教師の仕事に興味がある人

このあたりの人に向けて、わたしが見学した日本語学校の情報を共有します!

 

バリ島の日本語学校BATCとは

BATCとは、Bali Aviation Training Centerの略。
日本語や英語を使い、航空業界で働ける人材を育てる学校です。

BATCには、バリ島出身のインドネシア人だけでなく、ジャワ島やカリマンタン島など、他の島出身の生徒も多く在籍しています。

この「航空業界への就職に特化している」というところが、通常の日本語学校とは異なる点ですね。

BATCを卒業後は、以下の3つの仕事に就く生徒が多いようです。

  • キャビンアテンダント
  • グランドスタッフ
  • 航空会社に就職

たいていの生徒は航空関係の業界に就職しますが、ここで学んだホスピタリティや日本語を活かし、ホテルや旅行会社といった観光業界へ就職する生徒も少なくありません。

それでは実際に、BATCではどんな教育プログラムが組まれているのか。

詳細について、紹介していきます。

 

BATCで学べること

BATCでは、以下の3つのプログラムを主軸とした教育がおこなわれています。

1.Aviation Program(航空プログラム)

1つ目が、キャビンアテンダントを養成するプログラムです。

CAさんって、やるべき仕事がたくさんありますよね。

乗客の荷物を棚に乗せたり、緊急時の対応をデモンストレーションしたり。
そういった一通りのキャビンアテンダント業務を、ここでは学びます。

日本でも同じですが、キャビンアテンダントは就活生から人気の職種で、内定を得ることはそう簡単ではありません。

そのため希望の航空会社への就職を叶えるためには、あらかじめBATCのような専門学校で事前知識をつけて就活対策することが重要となるのです。

 

2.Tourism Program(観光プログラム)

バリ島は観光業が主な産業ですから、バリ島で給料や待遇の良い仕事に就くためには、観光業界へ就職するのが最も手っ取り早いです。

そこでTourism Programでは、バリ島で需要の高い以下の仕事へ就くための教育がおこなわれています。

  • スパセラピスト
  • ホテルのフロント
  • バトラー
  • ハウスキーピング

観光大国バリ島の街中には、溢れかえるほどのスパやホテルが営業をしています。
Tourism Programでは、バリ島に数あるスパやホテルで働くための知識や作法を習得することができるのです。

まあ正直なところ、バトラーやハウスキーピングの給料や待遇が良いかどうかは疑問ですが・・・。

ただ、高級ホテルや高級ヴィラなど、労働環境の良い職場で働きたい人にとってこのTourism Programは、ピッタリのカリキュラムでしょう。

 

3.Language Center(語学教育センター)

今回の記事で最も注目して欲しいのが、このLanguage Centerです。

Language Centerでは、航空業界や観光業界で使える実践的な英語と日本語を学びます。

コース内容は、レベル別に分けられていているのが特徴です。

日本語力ゼロの生徒が半年かけて日本語を学んだり、すでに日本語を学んだことがある生徒が3ヶ月かけて復習したり、生徒たちは入学時の日本語レベルに合わせたコースを選べます。

また実際に、日本へスタディツアーへ行くプログラムが組まれているのもLanguage Centerの魅力でしょう。

生徒たちは実際に日本へ訪れて、日本の航空業界や観光業界の現場を見学する機会が与えられています。

さらに日本語力だけでなく、世界で通用する英語力を鍛えるコースがあるのもLanguage Centerの特徴です。

豪華クルーズ船や海外の5つ星ホテルなど、観光業界のなかでもワンランク上の職場で働くための、専門的な英語教育を生徒たちにおこないます。

 

なぜBATCへ行くことになったか

なぜわたしがバリ島の、しかも航空業界に特化した謎の日本語学校へ訪れることになったのか。

それは単純に、ここで友人が働いているからです。

▼友人のMadeさん

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Madeさんは、バリ島出身のインドネシア人。
大学で日本語を専攻していたため、すでに日本語がペラペラです。
ここBATCでは、生徒へ日本語を教える講師として働いています。

そこでわたしとしても「せっかく友人が日本語学校で働いているのだから、ぜひその教育現場を見てみたい!」と思いMadeさんに連絡。

無事に許可がとれ、実際に訪れることになりました。

 

BATCに行ってみた

BATCがあるのは、バリ島の州都デンパサール市内です。
わたしが滞在していたクタという地域(バリ島の繁華街)からは、バイクで20分くらいでした。

BATCの校舎は少しわかりにくい場所にありますが、”KAMPUS BATC”と書かれた大きな看板が目印となっているのですぐに見つかります。

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校舎に入ると受付があり、受付のお姉さんに「Madeさんと待ち合わせしてるんですけど」と伝え、しばらくロビーで待機することに。

ロビーには日本語の教科書がたくさん置いてあったため、Madeさんを待っている間にペラペラと覗いてみました。

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この「みんなの日本語」は有名な本なので聞いたことがある人もいるかもしれませんが、隣の「シャドーイングで日本語発音レッスン」という本が面白くて。

わたしたち日本人はなかなか気づきませんが、日本人以外の人にとって日本語の発音って、結構難しいらしいんですよ。

「すきやき」を「しゅきやき」と発音してしまったり、「つらい」を「ちゅらい」と言ってしまったり。

こういった発音が難しい単語は、わたしたちが英語を勉強するのと同様に、シャドーイングという発声方法で矯正するようです。

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教科書をペラペラ眺めていると、Madeさんが到着。

「久しぶり〜Apa kabar?(元気?)」ってな感じで雑談をし、いよいよわたしも授業に参加です。

 

BATC授業風景

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教室に入ると、すでに生徒が席に着いて待っている様子。

ちなみにインドネシアの学校では、このように先生が時間通りに教室に来なくて生徒が待たされることがよくありますw

席はコの字型に並べられ、生徒同士で顔が見合わせられるスタイル。
キャビンアテンダント希望者がほとんどということだけあり、女性が多いですね。

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ちなみにこの服装は、BATCの制服。
生徒はみんな髪型が同じですが、これは実際のキャビンアテンダントの身だしなみを想定しています。

生徒たちにとってわたしは見知らぬ日本人ですから、授業が始まる前に自己紹介をすることに。

わたし、こういう場に慣れていないので、やたら照れながら自己紹介した記憶がありますw

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自己紹介のあとは、生徒たちからわたしへの質問タイム。

最初はみんな恥ずかしがってキョロキョロ周りをうかがっていましたが、1人が質問すれば矢継ぎ早に手が上がり、最終的にわたしへの質問だけで授業の半分以上を使うことに。

この質問タイムで授業時間がほぼ全滅したので、この日の授業はリスニングの問題演習のみとなりました。

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この日の授業は「どこに」「なにを」「いつ」など、5W1Hの聞き取りがメイン。

スピーカーからリスニングの音声問題を流し、Made先生がひたすら生徒に答えを聞いていくというスタイル。

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この授業をずっと見ていて思ったのは、インドネシア人(というか日本人以外)にとって日本語の「て、に、を、は」はやはり難しいのかな?ということです。

たとえば、下記2つのフレーズ。

  • 公園で何をしましたか?
  • 公園に何で来ましたか?

この2つのフレーズですが、半分以上の生徒が「何を」と「何で」のちがいを理解できていませんでした。

たしかに自分に置きかえて考えてみると、もしわたしが外国人に「てにをはの違いを説明してくれ」と言われても、上手く説明ができないだろうなぁと思います。

母国語って「何がわからないのかわからない」レベルで、普段なんの疑問も持たずに使っていますから。

わたしたちが当たり前のように使っている日本語は、実は奥が深いんだなぁと実感しました。

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BATCの授業は終始、あまり板書せず会話やロールプレイングをしながら日本語を習得していくのが基本。

みんなで相談しあったり、身振り手振りでコミュニケーションをとったり、和気あいあいとした空気が楽しげでしたね。

 

インドネシア人生徒から学んだ2つのこと

実際にBATCの授業を見学して、インドネシア人の学生から学んだことを2つお伝えします。

1.学習意欲が高い

インドネシア人学生の学習意欲、めちゃくちゃ高いです。

こう言っては悪いですけど、日本の大学生とはぜんぜん意識が違いましたね。

まあBATCが航空業界に特化している学校であり、目的意識のハッキリした生徒が集まっているということも、関係しているとは思いますが。
ただ、先生や周囲の生徒には遠慮せず、次々と質問している様子が印象的でした。

生徒は日本に興味がある学生や日本で働きたい学生が多く、「絶対に日本語を習得する!」という気概が感じられた気がします。

 

2.物怖じしない

初対面のわたしにも、ガンガンと積極的に日本語で話しかけてきました。

みんな初級クラスだから、まだまだ日本語は拙いんですよ。
だけど、覚えたての日本語でたくさん話しかけてくれて。

日本人って「外国人に英語で話しかけるのが怖い」とか「下手な英語を話すのが恥ずかしい」って一歩下がってしまう人が多いですよね。

でも語学って、実際に口に出して失敗しないと上達しないですから。

日本人の国際化には、このインドネシア人の物怖じしない姿勢を見習うべきだと感じました。

 

インドネシアで日本語教師として働くのは楽しそう

「昔と比べて、日本語を学びたいインドネシア人が減ってきている。」

これはよく聞く言葉ですね。

ただ、絶対数は減ってきているかもしれませんが、確実に「日本が大好き!日本語を学びたい!日本で働きたい!」というインドネシア人は一定数いるわけで。

わたしたち日本人にとって、日本が好きなインドネシア人の手助けをできる日本語教師は、本当にやりがいある仕事だなぁと感じました。

バリ島で働くというと観光業がイメージされやすいですが、人も気候も暖かいこの土地で、日本語教師の仕事をしてみるのもまた楽しそうですね。

 

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